2014年12月27日土曜日

Handel Messiah C.Hogwood/Academy of Ancient Music

長野市の中古レコード店「アンサンブル」が閉店したようだ。HPが削除されていた。以前からHPに告知もあったし、覚悟はしていたが、やはり寂しい。先般の長野の地震では棚から商品が落下したようだった。12月下旬の閉店予定が、もしかしたらそのまま早まってしまうのではないかと危惧したが、告知通りであった。店主の意地を見た気がした。お疲れさまでした。今後はゴルフ三昧でしょうか?

さて、年の瀬も押し詰まって職場ではインフルの大流行である。年末のシフトの変更となった。ここは一致団結して乗り切らねばなるまい。幸い家庭や子供の周囲では流行っておらず一安心。

そんな中、今年はヘンデルのメサイアを聴いた。昨年、Kazuさんに第9もいいですけどメサイアなどの宗教曲もいいですよとアドバイスをいただいたので、中古で仕入れておいた。メサイア初体験である。なんだか晴れがましいような音楽。1年の汚れを落とすシャワーを浴びるように少し大きめの音で聴いた。いまのところコレが自分にとって正解の聴き方かな。すぐに聴きながら眠ってしまいました。演奏は今年亡くなったホグウッド/エンシェント室内管の演奏で。

前回のブログで、今年は最後と書いたのに性懲りもなく追加です。へへっ。


2014年12月23日火曜日

どうなるジンクスNFL O.Suitner/SB AB7 S&G

メリー・クリスマス!
いよいよ熱く、面白くなってきたNFLのお話から。お付き合いください。

今年のNFLのレギュラーシーズンもあと2週間(2試合)。プレーオフ(PO)進出をかけた争いが熾烈だ。我らがシアトル・シーホークスの所属するNFC西地区はライバル、アリゾナ・カーディナルスが第15週終了時点でプレーオフ進出を決めているものの、2試合を残して地区優勝の行方はまだわからないという大混戦。今週、その地区首位、地区優勝をかけた同地区対決があった。

NFLは2つのカンファレンス(日本のプロ野球でいうセ・リーグ、パ・リーグにあたる)があり、それぞれ4地区に分かれている。POは両カンファレンスの地区優勝4チームとワイルドカード2チームの計6チームがカンファレンスチャンピオンシップを目指して争う。両カンファレンスのチャンピオンがぶつかるのがスーパーボウル(SB)。POではレギュラーシーズンの勝率が高い順にシード権があって、ホームスタジアムで試合ができるホームゲーム・アドバンテージが与えられる。一般にNFLではホームでの試合はかなり有利となる。というのも相手チームの攻撃の時、クラウドノイズ(観客の大声や足踏みなどによる大きな騒音)で相手チームの邪魔をする。ちなみにファンのチームの攻撃の時は極力静かにする。このクラウドノイズ、スタジアムによっては時にはジャンボジェット機の騒音をも上回る。大きな騒音で相手チームの作戦の伝達の邪魔をしたり反則を誘うことで有利に試合を進められるのだ。なので地区優勝とワイルドカードでは同じプレーオフ進出でも雲泥の差なのだ。前回シアトルがSB制覇できたのもカンファレンス最高勝率でこのアドバンテージを得て、カンファレンスチャンピオンシップまでホームでファンを味方にして戦えたことが大きかった。
シアトルとアリゾナ。今シーズンの同地区対決は2回目“at アリゾナ”ある。前回対戦はシアトルでシーホークスが勝利している。2度目となる今週の試合どちらも落とせない一戦であるとともにクラウドノイズ対決でもある。両チームのホームスタジアムはこのクラウドノイズの大きさでギネス記録にもなった。ホームアドバンテージはカーディナルスにある。が、カーディナルスは故障者続出のため戦力的にはシーホークスが圧倒的に有利といわれている。戦力差を補うクラウドノイズは崖っぷちのカーディナルスを救うのかとも思われたが・・・。
結果はシーホークスの圧勝!途中まではロースコアの競った試合展開であったが、ゲーム終盤にきて試合の流れを完全に掴んで大きく突き放した。これで勝ち星が11勝4敗でアリゾナと並んだが、直接対決でアリゾナに2勝したので地区首位となった。最終週の試合に勝って12勝となれば地区優勝、カンファレンスの第1シードとなる。カンファレンス優勝、SB出場、SB連覇も見えてくるというもの。で、アリゾナはというと、この敗戦で自力優勝が無くなり最終戦に勝って、かつシアトルが負ければ地区優勝。負ければワイルドカードとなる。しかし最終戦の対戦相手はサンフランシスコ 49ers。49ersはPO進出を逃し下り調子ではあるけれど厳しい相手。どうなる?シアトルもセントルイス ラムズ戦だが前回対戦時には確実と言われていた勝ち星を落としているし、今シーズンのラムズは大物食いが得意なのでホームゲームとはいえ気が抜けない。

ご存じだろうか?SBには有名なジンクスがある。「開催地を本拠地(ホーム)とするチームはSBに出場できない」というもの。今シーズンのSB開催地はアリゾナ。カーディナルスの本拠地だ。ということはカーディナルスはカンファレンスチャンピオンになれないということ?毎年ジンクスは破られるのか?が注目でされる。SBは今年49回目だがこのジンクス、今だ破られていない。このまま行くと今年も当たりそうである。

SB繋がりで。前回のブログではレーグナーの7番を紹介したけれど、今週はスイトナー/シュターツカペレ・ベルリン(SB)の7番を。レーグナーと同じドイツ・シャルプラッテンの録音だが、録音は雲泥の差。レーグナー盤は放送局のスタジオだがこちらはベルリンのキリスト教会での録音。40Hz以下もしっかり入っています。上から下までしっとりとした弦の響きとくすんだ金管の音色は正に旧東ドイツの音。適度な残響も心地よい。ブルックナーはテンポを動かさず、ゆっくりした演奏が良いとする向きもあろうが、自分の好みは適度に動きのあるものが好きなので、スイトナーの演奏スタイルは自分にとってはドンピシャ、といえるだろうが、いささか踏み込みが甘い。歌い込みの浅い平板な演奏となってしまっているのが残念なところ。勿体ないことだ。

一字違いでSGの話。サイモン&ガーファンクル〝コンサート イン セントラルパーク"。81年9月のライブ録音。SG世代ではない自分のSGサウンド初体験のディスク。2人のクールで透明感のある歌声が寒いこの季節にマッチする。「明日にかける橋」「「僕とフリオと校庭で」「サウンド オブ サイレンス」「旧友などなど。懐かしくて思わず手に取ってしまった1枚。
我が家のオーディオは最近、こうしたポップスやロック系の音楽もうまく鳴るようになった。以前はトーンコントロールで低音を絞って聴いていたが今はその必要はなく喜ばしい限り。

今年も1年ありがとうございました。今年はこの記事を入れて85本を更新することができました。予定ではこれが今年最後の予定ですが、もしかしたらもう1本あるかもしれません。

それでは、よいクリスマス・年末でありますように。

2014年12月20日土曜日

バッサリ Rögner / RSOB AB7

寒い。寒い。
今年も余すところ10日ほど。
先週は同僚が風邪を引いて出勤停止となったため、なかなかに多忙であった。まあその分、週末の忘年会ではずいぶんとハッチャけさせて頂いた。楽しい忘年会であった。今週はこの大雪。通勤時間が読めず気を揉んだ。路面が凍結ということはなかったけれど、圧雪と吹雪による視界の悪さで通常30分のところ1時間30分以上かかった。遅れるわけにもいかないので早く家を出るのも一苦労だった。

今週はそんな中、どうにも右上の奥歯が痛い。年末年始に酷くなっても困るので歯科を受診した。虫歯かと思っていたがそうではなかった。噛み合わせが悪く、右側を強く噛み締めていたための痛みで、強くあたり過ぎる歯を少し削ってもらったら痛みはウソのように無くなり顎の動きもよくなった。先生によると、奥のオヤシラズも影響しているので抜きましょう、とのことで昨日歯を抜いてもらった。以前、ほかの歯科医院で抜歯したときは貧血でぶっ倒れたり、処置の途中で麻酔が切れてあまりの痛さに爪の成長が止まったり、3日間口が開けられず食事ができなかったりと歯科については散々だったので心配だったが、今回は全くのNP(ノー・プロブレム)だった。今回の歯医者さんは新規開拓だったが腕のよい先生でホントよかった。

さて、レーグナーのブルックナー7番です。このところ市内のTSUTAYAにはクラシックのコーナーにはCDがたくさんある。といってもベスト100とかナントカ1000のようなものばかりですが。でも店頭で新品のCDを買うなどという行為が減った自分にとってはやはり刺激が強いのか、つい手にとって買ってしまう。
このCD、さっそく聴いているのだが何だか据わりが悪い。演奏は悪くない、というか良いですハンソン。他の方のレヴューなどにはテンポが速いと書かれていることが多いですが、そんなに速いとは思わない。で、何が据わりが悪いのかと言うと、このCD、40Hz以下がバッサリ。EQのリアルタイムアナライザー(RTA;いわゆるグライコ)で見るとバッサリと切られてしまっているのだ。なんでこんなことをするのか理解できないが、楽器の音でいうとはグランカッサやコントラバスの低い音域の帯域ながら、ホールやスタジオの暗騒音もこの帯域。それが含まれないことになるのでオケやホールの大きさ、量感が出にくい。レーグナーのブルックナーはテンポが速く小型、コンパクトと言われることが多いが録音によるところもありそうである。

ではほかの録音が全部そうなのか?という疑問が湧くところ。
レーグナーは4番~9番を録音している。手元にあるのは4番、7番、9番の3枚。4番は徳間ジャパンの1000円盤。この7番はキングレコードの1000円盤、9番は国内盤LPである。これまで、国内盤CDは徳間、エイベックス、キングと3者によって発売されている。その内エイベックスではSACDで発売されるなど、新たなリマスタリングがなされてきたものと思う。海外盤でもシャルプラッテン、ベルリンクラシックス(エテルナ)と何度か発売されているが、違いはあるのかどうか。興味のあるところではあるが、お金も時間も余裕ないし、聴き比べはとてもできない。

とりあえず、徳間盤の4番を聴いてみると、40Hz以下もレベルは低めだが含まれている。とするとキングのマスタリングに由来するものなのか。それとも7番のマスターテープからしてバッサリ落としてしまったか。このキングの1000円盤(KICC3661)は前回のハイパー・リマスタリング・シリーズのマスターを使用していると思われる。原音再生主義、とうたっているので元々のマスターテープからなのだろうと思う。

今日、ずっと探していたアシュケナージのラフマニノフの交響曲第1番とミケランジェリ/ジュリーニの皇帝のLPを注文した。届くのが楽しみだ。これを励みにもう少し頑張ろうと思う。


2014年12月7日日曜日

これは面白い! Fennel / EWE The Civil War

先日のベニー・グッドマンのLPと前後してフェネル/イーストマン・ウィンド・アンサンブルによるThe Civil War (南北戦争)というCDをオークションで入手した。このCD、録音の良さと資料的な意味で欲しいCDだった。何度か手に入れる機会があったがタイミングが合わずこれまで入手には至らなかった。

このCD、南北戦争期の南北両軍の行進曲やラッパ信号、当時の流行歌などに加えて、その当時使用された大砲や小銃といった火器の音が収められている。ともすると、ややキワモノ的、デモンストレーション的なディスクと思われがちだが、マーキュリー録音のなかでも屈指の好録音でマーキュリーというレーベルを体現したディスク、だと思った。録音は1960年と62年。61年には経営の不振によりフィリップスに買収されたのでその過渡期にあたる。
火器(大砲や小銃)の実射音(空砲)の収録はかなり凝っている。使用された火器は南北戦争時のもので、録音場所も戦場となったゲティスバーグやウェストポイント(陸軍士官学校)で行われている。その時代の大砲を使うあたりはさすが。しかし相当のコストが掛ったのではないか。この部分は60年の収録。フィリップスに買収された後では録音させてもらえなかったに違いない。このあたり、マーキュリーのしたたかさが窺える。買収もいきなりではなかったと思われ、どうせ買収されるなら、ここは一つ・・・、なんて感じだったんじゃないかと思う。また、ただ火器の音を収めるだけでなく、火器の説明と思われるナレーション入りである。英語が不得手なので詳しくはわからないけれども、ライナーノートには使用した楽器、当時の火器や楽曲の説明など仔細に書かかれており、単なる音楽CDとなっていない。

当時、驚異的に優秀な録音を誇ったマーキュリー。もちろんレコーディング技術に対する絶対的自信があるのだと思うが、使用楽器や火器、録音場所といったディテールの細かさやこだわりがのマーキュリーのディスクを単なる優秀録音ディスク、というだけにとどまらない、何というか、レコーディングという行為をもう一段、価値あるものにしているように思う。
もう一つ、マーキュリーのCDについて。このCDは90年のリリースで、当時のプロデューサーのウィルマ・コザート・ファインがCD化のプロデュース、監修をしている旨表記されている。国内盤でもアメリカプレスはこの表記があるが、その後の国内プレス盤にはこの表記がない。コザートの監修が無いせいなのかわからないが、国内プレス盤はアメリカプレス盤に比べ音質は少し落ちる、と考えている。それでも好録音であることは間違いないのだが、わずかに音がにじむ感じだ。アメリカ盤はエッジが立っていて音の鮮度がいい。

面白いと思ったのは、録音に使用された楽器だ。オリジナルかレプリカかは判然とはしないが、博物館にあったものが使われている。当時の軍楽隊で使用された金管楽器はラッパのベル(朝顔)が後方に向いていて、ちょうど銃を肩に担ぐような形になっている。レコーディング風景のスナップではステージ奥のひな壇の一番高いところに指揮者のフェネルがいて、金管楽器の奏者は客席方向に背を向ける格好だ。ステージ最前列にいる木管奏者はまるっきり指揮者に背を向けている。
※画像をクリックすると拡大します。


すっかり忘れていたが、今年はフレデリック・フェネルの生誕100年にあたる。メジャーな指揮者ではないし、記念盤もめぼしいものは出なかったと思う。フェネルがいなかったとしても吹奏楽というジャンルは確立されたろうと思うが、こう早くはならなかったと思う。フェネルとマーキュリーの功績は大きいと思う。


Mercury 432 591-2
レコーディングに使用された金管楽器とドラム。当時のものかレプリカかは不明
レコーディング風景
ステージ奥センターはフェネル。ラッパのベルをマイクに向けるため、金管奏者は後ろを向いている。
木管奏者は丸きり指揮者に背を向けている。どうやって指揮に合わせていたかはナゾ。

フェネル自身が奏法を実演している

2014年12月6日土曜日

済みました A.Copland Clarinet Concerto

寒波来襲。とても寒い。金曜日、ついに雪が降った。
先週の高倉健につづいて今週、菅原文太が亡くなった。なんだか健さんが呼んだように思えて仕方ない。高倉健が亡くなった時、追悼番組として数々の映画も放映されたが、網走番外地シリーズが放映されなかったのは残念な限り。「自分、不器用ですから」観てみたいなあ。

「冬タイヤ装着 お済ですね」とは国道の電光掲示板の文言。去年は「お済ですか」だったのが今年は「お済ですね」と来た。念押しである。これにはヤラレタ。つい、「すみません、まだです・・・。」と答えてしまいそうになる。「~ですか」と来た時は「まだだよッ」と反発したくなるが、「~ですね」と来た日にゃなぜか済まない気持ちになるから不思議。で、例年になく早めにタイヤ交換をして、この雪に間に合った。交換はもちろんガソリンスタンドで。「自分、不器用ですから」タイヤ交換できないんです。

以前、kazuさんといとこのうな君があそびに来た時、うな君がコープランドのCDを持ってきた。久しぶりに聴いたコープランドはやっぱりモダンでクール。もっと以前に別の友人Yさんから自作自演集を借りて、これも良く聴いた。このCDはすでに廃盤で入手困難。自分はバーンスタインのものを中心に数枚を所有している。わけてもクラリネットコンチェルトは好きな曲だ。最近になって中古レコードでベニーグッドマンのものを購入した。タイトルは「ミーティング アット ザ サミット ベニーグッドマン プレイズ ジャズ・クラシックス ウィズ」となっておりA面はバーンスタインのプレリュード、フーガとリフ、コープランドのクラリネット協奏曲、B面にはM.グールドのクラリネットとバンドのためのデリベーションズ、ストラヴィンスキーのエボニーコンチェルトがカップリングされてそれぞれが作曲者の指揮による、という共演集となっている。なかなかに豪勢な組み合わせだ。編集盤かもしれないが詳細は不明。グッドマンのテクニックは現代のそれと比べるとちょっとなあ、と思うところも多いが、やや寄りかり気味のリズム処理といい、雰囲気というか空気感は抜群によかった。まさに大人(たいじん)の風格。録音はまあ、ぞれなりといったところ。60年代後半、CBSに勢いのあった時代が偲ばれる録音であることは間違いない。

今朝(土曜日)になっても雪は止まない。シーズン最初にこの大雪。海沿いの我が家周辺も結構な積雪。高速道路は通行止めで近くの国道も渋滞と、散々な土曜日である。

MS 6805