2017年2月26日日曜日

七味風 音のピント合わせ その1 ’フラットに補正する’

タイトルはmoleさんのブログからのパク・・・いえ、リスペクト。ということで。

我が家ではEQによる補正をしている。ベリンガーのDEQ2496という器械を使っている。EQの使い方は人それぞれ。単にトーンコントロール替わりという人もおられよう。
しかし、このベリンガーはそれだけではもったいないほど機能充実なのだ。
この器械なしには我が家のオーディオは成り立たない。
導入のきっかけの一つはどうにも低音域が膨らんでしまうこと。二つ目は定位が悪く、音に落ち着きがないことの対策であった。
原因として一つはヤワな床と壁(それに忘れてならないのが天井!)が盛大に振動していて、特定の周波数で共振していること。もう床なんかはギシギシ云ってます。二つめは部屋がリスニングポイントの前後左右で対称形ではないため、どうしてもスピーカーの設置に制約があって伝送特性が左右で異なることによる。これを解消しよう、というのが導入の大きな動機であった。
それに、もちろんうな君の強力なプッシュがあってのこと。
初めて部屋の響きに注意が向いたのは以前住んでいたマンションのリスニングルームでの体験。振動・防音・遮音の対策はバッチリだったが、イヤにクセの強い響きだった。普段の会話の声さえも耳についた。嫌な響きが音に乗るのが不快であった。それまで部屋に固有の響きがあるなんて思いもしなかった。

随分と昔のこと。ミニコンにもグラフィック・イコライザー(もちろんアナログ式)が付いて、そのパンフには自分好みの音で音楽が聴けると謳っていた。
でも、まともな調整なぞはできずに終わったように思う。ただ一つ、「EQを使うと音が悪くなる」という事を残して。 
EQで音が悪い(音質が低下した)という経験は今のところない。感じていない。
七味の経験上、部屋の伝送特性の測定が欠かせない。測定無しではベリンガーの実力の半分も出せない、と思う。

ということで、まずは部屋の伝送特性の測定から。
ベリンガーのDEQ2496は測定と補正を同時に行う仕組みに。思い描くカーヴを設定し測定すると自動でそのカーヴに補正してくれる。が、ここでは全帯域フラットになるよう測定と補正をする。ピンクノイズが流れ、3分ほど(詳しい手順は割愛)で測定と補正は完了。
ここで大切なのは左右チャンネルそれぞれの伝送特性を測定をすること。
補正されたカーヴは左右で違っている。この違いが左右チャンネルの伝送特性の違いとその補正値というわけ。
下の画像はフラットに補正した際のカーヴ(クリックで拡大)。
※画像の白いドットが左チャンネルで、黒いドットが右チャンネルになる

画像のカーヴの見かたにはちょっとした注意が必要。このカーヴは補正後のもの。ということで、
ドットが0ラインより上にあるときはその周波数の音は出ていない(ディップ)ということ。それを補正したためプラスになっている。逆に0ラインより下の場合は出過ぎ(ピーク)ていて、補正によってマイナスになっている。
例えば、20Hzと20kHzは共に+15dBとなっている。これはSP(バークレイⅡ)の周波数特性がカタログ値では35Hz~20kHzだが、実際にはそこまで出ていないためにフラットにするにはプラス補正が必要なのでこうなってしまったが、これは無視してよい。

下の画像で気になる点
①50Hz付近が出過ぎている
②1kHz付近は少し出ていない
③80~100Hz。左右差が大きく、左チャンネル(白いドット)が80Hzと100Hzで10dB以上開いている
④高音域は左右差は少ないが出過ぎている周波数がいくつかある。

この辺りは部屋の作りの非対称性やスピーカーの設置位置とリスニングポイントと部屋の特性の影響なのだろう。
ちなみに、スピーカーの設置に際しては定在波計算のフリーソフトがあり、その結果を参考(あくまで参考程度)に決めている。

全帯域をフラットにし、左右の伝送特性を補正した音は定位が良くなってスッキリする。低音域の膨らんだ感じも無くなるが、ディップ(凹み)を補正で持ち上げ過ぎると歪みっぽい音になりやすく刺激的に過ぎる。あと、低音~中音域~高音域にかけての音の繋がりが悪く、ちぐはぐな印象が強い。

ここまで、左右チャンネルの伝送特性が補正されたトコまでが完了。
七味風はこのあと、自分の好みのカーヴを探り、作り上げていくという気の遠くなる作業に入っていくよ。


フラットになるように測定・補正したカーヴ

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