2017年7月26日水曜日

Dutoit / OSM Holst The Planets

春、このブログにマゼールの惑星について書いた折、デュトワなんかどうだろう?とも書いた。幸いにもイトコのうな君からCDをお貸りすることができた。
聴いてみると、イギリス系の指揮者やオケの演奏と随分違ってドライかつキレの良い演奏。ジェントルではないがスリリングかつエレガントな演奏。火星の高速ドライヴとレンジを広くとったキレッキレな演奏はデュトワにしかできない?木星は踏み込みが甘くパワー不足という感じもするけれど、なんかこう、サラッとした歌い口には独特の心地よさがある。
ここだけ重力が小さい。踵を地面に着けずに歩いている、そんな感じがする。だからと言ってマゼールのような座りの悪さは微塵も感じさせない。インナーマッスルをしっかりと鍛えているアスリートのようにブレがない。

これは是非手元に置いておきたい、と思いディスクを探していた。
最近になって、仙台の中古レコードショップの通販リストに上がっていたので、注文した。
届いたLPは盤質上々。ジャケもキレイ。音質も良かった。
実はデュトワ/OSMの惑星はこのコンビ初のイギリス物の録音なのだそうだ。86年の録音。聖ユスタシェ教会。

デュトワのスタイルはクールかつ軽やかで華麗な演奏、というのが身上ではないかと思う。モントリオールのオケは全体でみると非力、もしくは厚みに欠けるのだという意見も時折見かける。実際そうなのかもしれないがデュトワはそこを逆手にとった演奏をしているフシもある。ただ管楽器、特に木管群の上手さはベルリンに匹敵すると言ったら言い過ぎだろうか?
デュトワの音楽は外に外にと広がる。あまり内に向かわないし掘り下げない。場合によっては上澄みをサラッと掬ったような演奏をする。時には音楽があまりにも広がりすぎて収集が付かずどうにも散漫な感じになってしまうこともあって、曲を選ぶようなところもある。
それでも、フランス物などを聴くとさすがと思わせるし、ロシアものなどもデュトワならではの華麗さに軸足を置いた洒落た演奏も好きだ。

Wikiによると、モントリオールは02年に楽団員との対立から辞任してしまったらしい。N響とのショスタコやプロコ以降、デッカからのリリースはない様子。このところ、新しい録音はとんと見かけなくなってしまったのは大変、惜しいことだ。

さて、今週末は三銃士の会。会場は我が家。春以降、あれこれと調整してきたが、やっぱりドキドキする。いざ!

最近購入したデュトワのディスク
惑星のCDはうな君からお借りしたもの



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